10.03.2010

SNOWSTICK スペックの読み方

今回はスペックについて解説します。
まず先に SNOWSTICK はパウダー専用機ではありません。オイラはワンシーズンを SNOWSTICK のみで過ごしています。パウダーでライディング性能を上げるための構造を取り入れていますが、ゲレンデでしっかりとカービングターンが出来るところに SNOWSTICK の基本特性が秘められています

さて本題、実はこの スペック というのは板の性能を読み取るのにとても重要な要素が秘められているんです。この スペック をしっかりと読み取れる方はなかないらっしゃらないんじゃないでしょうか。

それではそれぞれの意味から解説します。


解 説
O.Length オーバーレングス:板の全長
R.Length ランニングレングス:ソール面が接雪している部分の長さ
EF.edge エフェクティブ エッジ:ノーズ最大幅とテール最大幅間の有効エッジ
Sidecut.R サイドカットアール:サイドカーブの半径
Nose/Tail ノーズ・テールの最大幅
Waist ウエストの最小幅
Set Back ノーズ最大幅とテール最大幅のセンター(有効エッジのセンター)からスタンス幅のセンターまでの距離
Stance Width スタンス幅
PURPOSE 目的・用途
CONSTRUCTION 設計構造
CORE 芯材
RUNNING BASE ソール素材
SIDE WALL サイドウォールの素材
SPECIAL REINFORCE 強化素材:主にグラスファイバー

"SPEC図解"


さぁ〜上記を踏まえて SNOWSTICK ラインナップで比較しやすい{ 58PT 58SW 62SW }の3種類を見比べてみましょう。


58PT 58SW 62SW
O.Length 1580 1580 1620
R.Length 924 924 884
EF.edge 1016 1270 1270
Sidecut.R 8600 9800 9800
Nose/Tail 298/276 308/300 310/292
Waist 258 265 262

この3本を見比べてみると とても面白いことが分かります。
板を選ぶとき大体の方は O.Length…全長 のみを参考にしていると思いますが、実はそれだけでは情報が乏しいんです。ここが重要なんです実は。
・O.Length…全長 ・R.Length…ランニングレングス EF.edge…有効エッジについて 


58PT 58SW 62SW
O.Length 1580 1580 1620
R.Length 924 924 884
EF.edge 1016 1270 1270

では、この3本の関係を読み取ってみましょう。
・O.Length…全長
58PT = 58SW 62SW

・R.Length…ランニングレングス:ソール面が接雪している部分の長さ
58PT = 58SW 62SW

EF.edge…有効エッジ
58PT 58SW = 62SW

例えば62SW…
全長が一番長いけどランニングレングスは一番短い。
この意味は全長に対するランニングレングス(実際に走行するソールの長さ)の比率が短く設定しているため、全長のイメージより取り回しやすく作っているということです。

そして有効エッジは58SWと同じで割合的にかなり長い。
特に58PTと比べると250mmも違う。これはテールがSW(スワローテール)形状の為 テール有効エッジの長さが極端に長いからです。
この意味は早く切れ込むターンに必要なテールエッジの安定感を得る構造になっているということです。(他にも意味がありますが…)
ここがスワローテールのメリットにつながります。



では58PT…
全長に対して有効エッジがかなり短い。これは全ラインナップでU4と同じ最小値です。
単純に説明するとテールがPT(ピンテール)形状の為 テールの有効エッジが極端に短くなるということです。
この意味はエッジ安定感ではなく 緩く長いテールロッカーでボトム(ソール)安定感を得るということです。


・Sidecut.R…サイドカーブ ・Nose/Tail…ノーズワイド / テールワイド  ・Waist…ウエストワイドについて 


58PT 58SW 62SW
Sidecut.R 8600 9800 9800
Nose/Tail 298/276 308/300 310/292
Waist 258 265 262

・Sidecut.R…サイドカーブは板本来のターンの大きさを現してます。
しかし、ターンの大きさはロッカーバランス、板のフレックスで違いが出ます。

・Nose/Tail…ノーズワイド / テールワイド 
基本的に SNOWSTICK はテールワイドに比べノーズワイドが広い形状です。
それはパウダーでのテールの沈み込みを良くするためです。(パウダーでノーズが刺さりにくくなる)←(アクセルコントロールにつながる…後日説明します)

・Waist…ウエストワイド
SNOWSTICK は普通のスノーボードに比べ2cm程度広く設定されています。
それはパウダーでの浮力、ボトム(ソール)安定感を得るためです。


 まとめ 
まずはスペック全体(ロッカーバランスやフレックスも含めて)がひとつになって初めてひとつの板になるということ。
要は全長のみで取り回し安さや難しさを決めるのはタブー

オイラが経験して感じたことは…
ただ長いから…ただ短いから…ただ太いから…ただ細いから…
取り回しにくいというのではなく
長いところに良さを見出す… 短いところに良さを見出す…
太いところに良さを見出す… 細いところに良さを見出す…
的な感じで「その板の長所を見出し、その長所を生かした遊び方をする」ということ。
例えでいうと〜

サーフィンやスケートボードに例えると…
ロングボードもあればショートボードもある。それぞれの良さを引き出して遊ぶ、ということです。
スノーボードってなぜか自分にあった長さに固執する傾向にあります。それは遊びの幅を随分狭めていると思いませんか?

オイラは短く早く動く板 SNOWSTICK U4 をいかにカッコよく乗るか。というテーマに出会い このことに気付かされました。
では みなさん、上手な人の定義は何だとお考えですか?
この部分はそれぞれ基準があると思うので答えは一つでは無いと思いますが、オイラはこう考えています。

どんなコンディションでも、どんな地形でも、どんな板を乗っても、その状況下で板の性能を引き出し楽しんで乗れる人。

これは状況、板の性能 それぞれ経験がないと成し得無い訳ですから、本当のウマさがはっきりと分かるところだと思います。オイラはここを常に目標にして楽しんでいるというわけです。


…と大分長文になりましたが、皆様の板選びのヒントにつながれば嬉しです。

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11 件のコメント:

  1. はじめまして。
    小番さんのライディング、Youtube動画などみて、そのサーフィンライクな乗り方に魅せられ、自分もいつか是非あのように乗れるようになってみたいと思い、今年58PTを購入いたしました(当方サーフィン歴20年程度のショートボーダーです)。
    小番さんが58PTや62PTに乗っている動画を色々と探して見させていただいているのですが、バインディングのアングルをどのくらいの角度にされているか、可能であれば教えて頂けませんでしょうか。以前どちらかで(古いMOSSのHP?)、「フロント45度」というような値を拝見したような記憶があるのですが、ここ最近でも同じくらいのセッティングですか?(古いエントリーへの書き込みで恐縮なのですが、こちらのエントリーに書き込んでおくことで、PTに興味がある他の方、小番さんをフォローしている方などとも情報共有できるかと思い、こちらに書き込ませて頂きました)。

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    1. コメント、58PTご購入ありがとうございます。
      この記事に書き込みもとてもうれしいです。

      さて、スタンスアングルですが、その通りで前足45°後ろ足6°でほとんどの板を乗ります。
      スタンス幅は52cm-40cmと板によって変えています。
      40cmという狭い幅はスタイル追求でそれが楽しいからです。
      スタンスアングルはサーフィンしているときとほぼ一緒です。
      私は腰を進行方向に対し45°程度開いて乗ります。
      そうすると前後左右の方向に対して一番バランスを保てる姿勢だからです。
      その姿勢をとると足は必然的に45°開きます。
      ご参考にどうぞ^^

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    2. 早速のお返事、有難うございます!
      やはりフロント45度も開いたアングルなんですね〜。確かに、そのくらいのアングルで、例えばバックサイドのボトムターンを、丁寧に板を踏みつつまわして切れ上がって行って、思い描いた通りのラインで走れたら相当楽しそうな気がします。逆に難しくなる点なんかもあるのだと思いますが、小番さんのセッティングを参考にさせていただきつつ、自分に適した値を見つけられるよう、色々と試してみたいと思います。
      有難うございました!

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  2. 初めまして。
    小番さんのライディングを動画で、見て自分も欲しくなり近々購入予定です。
    そこでなのですが、WING SW にするか、50SWにするか非常に悩んでおります。
    ちなみに、自分は身長163㎝ですが長すぎませんか?
    今使用しているボードは、140㎝、145㎝の二本です。
    何かアドバイスしていただけると幸いです。

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    1. コメントありがとうございます^ ^

      基本的に長さ(オーバーレングス、全長)に関しては50SW、WING SWどちらでも全く問題ないと思います。
      それよりも「どんな板に乗って遊びたいか」が肝心です。

      例えば...
      スケートに置き換えると
      ロングスケートボードの乗り味を楽しむ。
      サーフボードに置き換えると
      ロングボードの乗り味を楽しむ。

      スノーボードの販売で「あなたに合う長さは〜」という販売方法が定着した為、一般的に様々の長さを楽しむという概念がほとんどありません。

      まずはご試乗されることをお勧め致します。
      ご参考にどうぞ^ ^

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  3. 初めまして。スノースティックの購入にあたり、ちょっと気になる事が有り質問させて頂きます。

    スノースティックの種類が色々有りますが、やはり一つ一つ違いますか?

    自分は現在、サーフィンを意識して滑ってます。リップアクションや、アップス&ダウン
    など......

    ってなると、どの板がベストなのでしょうか?なかなか、試乗会に巡り会わず悩んでおります。何かアドバイス頂けたら幸いです。

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  4. 匿名様
    もちろんアウトライン、ロッカーで全然特性が異なります。

    サーフィンを意識していると書かれていますが、ショートボードのようなイメージでしょうか?
    ショートトライフィンの様なリップアクションをイメージするようでしたらU4(体格が大きければU5、小さければU3)がイメージにピッタリだと思います。
    PQ54も近いです。

    まずはご試乗ください。

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  5. 初めまして。PTモデルの小番さんのスタンスセッティングについてお伺いしたく、コメントかきこみさせていただきます。

    当方関東在住のサーファーで、基本海がメインなもので、スノーボードからは社会人になって以降かれこれ15年以上遠ざかっていたのですが、子供の成長に伴い一昨年からまたスノーボード復活いたしたものです。

    小番さんのスタイリッシュなライディングに憧れ、昨シーズン58PTを購入したのですが、今シーズンのスタートに向けて、スタンスのセッティングに色々と悩んでおります。

    以下のYoutubeの動画の64PTでのライディングを拝見させていただきますと、かなりスタンス狭めなように見えまして、そのスタイルで全身の動きを使って丁寧に板を踏んでいく感じが、サーフィンのターンと共通するものがあってカッコ良いなと感じているのですが、差し支えなければ、このビデオでのスタンスセッティングなど、ご参考にお伺いできませんでしょうか?
    https://www.youtube.com/watch?v=ddIWs0R3bps#t=24

    上記の別の方のコメントに返信されているのを拝見させていただきますと、アングルはフロント45度、リア6度というようなセッティングなのかなと想像しているのですが、スタンス幅とセットバックなどはどのような値を取られているのか、例えば、64PTの標準スタンス幅は54cm,58PTの場合は標準が51cmとなっていると思うのですが、小番さんの場合、これをどの程度狭めに変えているのか、狭める場合に、前足/後ろ足を、それぞれどちらにどの程度動かして狭めているのか、などをお伺いすることは出来ますでしょうか。

    お忙しいかとは思いますが、もしも可能であれば、ということでお時間あるときにでもコメントいただけますと嬉しいです。よろしくお願いいたします。

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    1. 匿名様
      コメントありがとうございます。

      >64PTの標準スタンス幅は54cm,58PTの場合は標準が51cmとなっていると思うのですが、小番さんの場合、これをどの程度狭めに変えているのか、狭める場合に、前足/後ろ足を、それぞれどちらにどの程度動かして狭めているのか、などをお伺いすることは出来ますでしょうか。

      まずはスタンス幅の基本ですが、推奨スタンス位置を変える事無くスタンス幅をご自身に合わせる事がベストなポジションになります。言い換えると、前足1センチ外に出すなら、後足も1センチ外に出す。推奨センター位置はそのボードで素直に沈み込んだ時ベストなポジションにセッティングしているからです。

      私が64PTで極小スタンス幅にとっているときはビスの一番内々に付けて、尚かつビンディングでも更に内側に持っていく様にしています。そのときセンター位置は特に気にしていません。(応用編ですね)

      余談ですが、私はSNOWSTICKの全ての板をチェックしてきた過程で、様々なスタンス位置(極端にセットフロントやセットバック、またビンディングのセンタリングをつま先側に…など)試せる事は全て試してきました。
      セッティング位置を極端に変える事で板の挙動は全く異なります。
      例えば〜
      思いっきりセットフロント〜短い板の反応になる(機敏)
      両足つま先側にセンタリングをずらす〜つま先側ウエストの細い板=板の返りが速いがエッジプレッシャーは弱い。かかと側ウエストの太い板=板の返りは遅いがエッジプレッシャーが強くなる。
      などなど…

      スタンスアングル、ワイドを変更して違いを体感するにはリフト一本乗るごとにチェンジするが一番ベストです。それはゲレンデコンディションが同じ状態に近いためそれぞれの違いを感じやすから。

      私自身、スタンスについてはかなり多くの時間を費やし現在があります。一番はご自身で追究しそれ自体を楽しむ事だと思います。

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  6. MMDやLONG、あと他社のハンマーヘッド(例えばデスペラード、以降D板と呼びます)のサイドカットRを眺めて気になったんですが、サイドカットを複数持つ板(板によっては5つも設定されてるのもありますが…)で、たとえばノーズR>テールRと、D板の場合テールR>ノーズR>ウエストRといったように、極端に数値が違う場合はどう読んだらいいのでしょう?

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    1. 匿名様
      複合サイドカーブですね。
      これは作者の意図により考え方が異なるところだと思います。

      例えばSNOWSTICKの代表作U4は〜
      前足のカーブ9000、後ろ足6170
      私は作者の田沼さんの意図を聞いたわけではありませんが、サイドカーブの中心位置(ウエスト)を全体の下目に持ってくることで(サイドカーブセットバック)ターン時板を倒しただけでカーブのインサイドに板が走る仕組みになります。いわばターン弧が小さくなる。9000と少し大きいのはサイドカーブセットバックによるターン弧の早さとノーズワイドのバランスを取るため。そして後ろ足が6190ととても小さいカーブなのは3D地形のボトムで垂直に切れ上がるため。それはテールロッカーとの絶妙なバランスがあってなし得ることが出来る仕組みです。
      後はパウダーでの浮力バランスなどを考慮し、個々の数値のバランスを取り一本の板に仕上げる様なイメージではないでしょうか。

      SNOWSTICKの複合サイドカーブは基本的に前足による操作感と後ろ足による強い踏み込みで3D地形を切れ上がる、素早く小さいターンをするイメージを具現化する、パウダーでの浮力バランスをとる、などを考慮し仕上げています。

      他社については想像でしかお答えできませんのでご了承ください。

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